混迷するアメリカ

次期大統領候補の選挙戦が混迷を深めるアメリカ。過激な発言を繰り返すトランプ氏が何故あれほどの支持を集めるのか。分析は別として彼が大統領になったら世界は大混乱になるのでしょう。少なく共従来の日米関係は崩壊すると思います。トランプ氏の日本に対する強烈なメッセージが出ました。

  •  日本・韓国への米軍事費をそれぞれ国に負担させよ。でなければ米軍を撤退させる
  •  日米安保条約はアメリカにとり不公平。再交渉すべきだ                          
  •  日本・韓国が核武装すること否定しない

もし彼が大統領になればこの3つは本気で迫ってくるでしょう。今のアメリカ国民は彼の意見に賛成、拍手喝采をしています。アメリカの景気は少しも良くならず失業者がどんどん増え社会に不満がたまり爆発寸前の状況です。一方のオバマ大統領。彼の8年間の功績は何であったか、と言えばイラクからの米軍完全撤退位と言われています。              彼の時代に「アメリカは世界に冠たるアメリカ、最大の軍事大国、強い国」のイメージが完全に無くなりその印象は世界に広まり「オバマアメリカは何も出来な いや らない国世界の警察官の役割は終わった」との印象を強くしまった。今、彼のキューバ訪問が話題になっていますが歴史に名の残らない大統領のレッテルを貼られるのを避けたいだけの事と云った声が多く何か空しい雰囲気です。トランプ人気の裏側にはアメリカのイメージを変え昔の強いアメリカを取り戻したいとの期待があると言えますが彼の演説からは外交無政策で国防政策がない事は容易に感じられます。もし間違えて大統領になったらだれを外務大臣と国 防大臣にするのか。どんなブレインが居るか。全く見えてきません。彼の過激な発言は弱い者・低所得者・マイノリテイが喜ぶ言葉と表現で人気を得ているだけで政策ではありません。TVでの評論家と同じで現状批判に徹しているだけで自分に何が出来るか、どんな外交政策・防衛政策を実行するか、できるのかが全く不明で主旨一貫したものが無いのが大きな問題だと言ます。 そんな中で我が尊敬する先輩が下記のメールを送って呉れました。                  前の財務長官Timothy Geithnerが上梓した680ページにも及ぶ「Stress Test 」と題する翻訳(回想録)を読んでの感想です。印象深かったのは下記する如く日本が取った政策との違い。流石アメリカとの印象だと彼は云っています。トランプ人気とこのガイトナー氏の知的レベルの高さとのギャップに戸惑っておられる様でした。                  1.金融システムが<危機状態>である時にこのマクロの解決策の中にガバナンス等の倫理観を“直接”に持ち込むのは賢明で ない。即ち大きな火災を前にして放火犯を探して罰するよりも強力な消防夫なり消防自動車を用意して<消化介入>する方が大切なのだ。放火犯は後日罰する事とすればよい。                                  2.この時、彼はコ―リンパウエルの唱えた<アメリカの軍事介入ドクトリン>を念頭に置いて対応した。即ち、軍事力はアメリカの権益が危険に晒されている時にだけ使用する。但し入り口として圧倒的な兵力を展開する形で介入する事、しかし出口戦略が事前に無ければならない。                                          3.彼の師匠の一人である元財務長官のル―ビンの言葉も頭に入れて決断した。即ち(1)人生に確実な事は何一つない (2)従い選択肢を磨き選択の余地を温存し成り行きで決断してはいけない。                      4.ハイマン、ミンスキ―教授の教訓として安定は信用を生みこの信用が何時の日か<過度>となりこの過度な信用の中に将来の不安定の種を見いだす能力を身につける。                                   5.<危機>を解決するには時の政府にこの直面する危機を終わらせる<能力と意思>のある事を市場/国民に示さねばならない。                                                      6.解決に当たり希望なり寛容なり優しさは戦略とはなりえない。 

以上です。680ページの本文を読んでいないのでコメントを控えますが上記の抜粋だけでも含蓄があります。アメリカのリーダーは思慮深く民主主義国家を守り抜く覚悟のある人物に頂点に立ってほしいと思います。勿論日本の政治家も企業のトップも同じ事です。